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2024年2月18日 ボランティア研修
​「アジア女性自立プロジェクト(AWEP)」訪問

レポーター 渡邊雅子(日本語ボランティア)​

 2月18日、ボランティア研修として「アジア女性自立プロジェクト(AWEP)」を訪問しました。JR鷹取駅から徒歩5分。カトリックたかとり教会内に事務所があります。

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カトリックたかとり教会の写真。ここの2階にAWEPの事務所がある。

 当日はAWEPの事務局長である鋤柄利佳さんに「日本に住む外国人女性の問題について、相談者としての経験から語る」というテーマでご講演をいただきました。また、代表理事の奈良雅美さんも同席され、私たちの質問に答えてくださったりしました。

 AWEPが設立されたのは1994年。背景には、ジェンダー差別や労働搾取、性的暴力といった、アジア人女性労働者をめぐる問題がありました。国内、海外で事業を展開しており、主に相談対応や啓発活動、フェアトレード事業を行っています。

 

 多文化コミュニティ放送局「FMわぃわぃ」での情報発信のほか、公式YouTubeは月1回、メール配信は月2回、LINE、SNSはイベントごとに発信しており、口コミやSNSを見て、イベントや相談に訪れる人が多いそうです。

 

 相談内容は、日本人男性との結婚や離婚における問題のほか、在留資格や、就労、失業などの生活困窮、メンタルヘルスなど多岐にわたります。鋤柄さんによると、相談者の在留資格によって支援の種類が変わってくるとか。交通事故に遭い、学費を払えなくなったことで、在留資格を剥奪される危機に陥り、相談に来た留学生の事例もお聞きしました。

 

 近年の相談対応から見えてきたのは、コロナ禍による生活困窮者の増加、不安定な在留資格による福祉支援の課題、メンタルヘルスケアの必要性など。NPOであるため、お金の提供はできず、物資の支援などを行っており、情報提供や役所などへの同行支援などもあるそうです。そのほか、神戸外国人救助ネットや、移住者と連帯するネットワーク(移住連)、ひょうごDV被害者支援連絡会(HYVIS)などの他団体とも連携をとり、相談に来た女性たちに必要な支援を提供しています。

 

 95年に開始したフェアトレード事業の背景には、発展途上国の女性の貧困問題があります。家族を養うために日本に出稼ぎに来る女性は、足元を見られて安い賃金で過酷な労働を強いられることが多いのが現状。「彼女たちに、食べていける仕事を提供しよう」とフェアトレード事業を開始したのだそう。カラフルな「さをり織り」のショールやポーチなど、アイテムは様々。日本国内の大学やイベントでの出店、通販サイトなどで販売しています。

 

 つるはしにほんごきょうしつでは、日本語のレッスンを受けられますが、日本での生活の困りごとも聞いています。お気軽に来てください。

本研修は公益財団法人大阪コミュニティ財団の2023年度助成事業として行われました。

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